奥さんから慰謝料請求されたら?確認事項と対処法、減額方法を解説
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弁護士 鈴木 晶
一般の方々に、わかりやすく法律の知識をお届けしております。
難しい法律用語を、法律を知らない人でも分かるような記事の作成を心がけています。
不倫慰謝料に関する様々な悩みを持つ方々のために、当ホームページは有益な情報を提供いたします。
ある日突然奥さんから慰謝料請求された…。
「本当に慰謝料を支払うべきなのか」「請求された金額は妥当なのか」「誰に相談したらいいのか」など考えるべきことはたくさんあります。
また、急に慰謝料請求されてしまうと「払わないと大変なことになるかも」と不安になってしまうかもしれません。
しかし、慰謝料請求されたとしても、そもそも支払わなくてよいケースもありますし、請求額よりも減額できる可能性もあります。
この記事では、不倫で慰謝料を請求されたときに確認すべきことと、正しい対処法について解説します。
・嫁から慰謝料請求された時に確認すること
・慰謝料請求された際、してはいけないこと
・不倫の慰謝料の減額が認められるケース
・相手妻からの請求のあった慰謝料を減額する方法
・弁護士に相談するメリット
奥さんから慰謝料請求されたら、請求方法に応じたリアクションが必要になります。慰謝料請求されるときの請求方法は3パターン。ケース別に解説いたします。
内容証明郵便で妻から慰謝料請求されたケース
内容証明郵便は、「誰が」「誰に」「いつ」「どういう内容の郵便を」送ったのかを郵便局が証明してくれるという特別な郵便です。
あくまで郵便局側に内容や発送を証明してもらえるというサービスで、内容証明郵便が届いたからといって、いきなり差押えや強制執行されることはありません。
そのため、奥さんの要求する慰謝料の額と支払い期日や振り込み先などが記載されている可能性が高いですが、要求通りに慰謝料を支払う必要はありません。
大きく焦る必要はありませんが、期日までに支払わない場合は、奥さんは今度こそ正式に弁護士に依頼して、弁護士から請求が来る可能性が高いです。
不倫の慰謝料を内容証明で請求された場合は、できるだけ早く弁護士に相談されることをおすすめします。
弁護士を通じて奥さんから慰謝料請求されたケース
弁護士から直接慰謝料請求の旨の連絡を受けるケースや、弁護士名や弁護士事務所名で内容証明郵便など何らかの通知を受けるケースがあります。
その場合、奥さんは慰謝料請求をさらに本格的にやろうと決心していると考えてください。また、相談された弁護士も「慰謝料請求可能だ」と判断したわけですから、不倫について有力な証拠を持っている可能性があります。
弁護士を相手に個人で対応した場合、相手は法律と交渉の専門家ですから、依頼者である奥さんに有利になるように交渉をまとめられるリスクがあります。
そのため、減額交渉もうまく進められず、相場より高い慰謝料を支払わされてしまう可能性もあります。
さらに、無視をすると奥さん側の弁護士が裁判所に訴えることもあります。その場合、あなたの自宅か職場に裁判所から訴状が届くので、家族や職場の人に、奥さんから慰謝料請求されていることがばれてしまいます。
弁護士が出てきた場合は無視せずコンタクトをとり、自身も弁護士に依頼して、事情に合わせた減額などの交渉をおこなうことが重要です。
裁判で奥さんから慰謝料請求されたケース
裁判所から訴状が届いた場合は、奥さん側も有力な証拠を揃えて、裁判を訴えたとしても勝訴する確率が高いと見込んでいて、奥さんが本気で慰謝料を取ろうとしている状況です。
裁判所から届いた通知書には1回目の出廷期日が記載されていますが、裁判の初回期日については、答弁書を提出すれば絶対に出席しなければいけないわけではありません。
答弁書を提出せず,1回目の出廷期日に出席もしなければ、奥さんが主張している事実が全て認められてしまい、奥さん勝訴で終わってしまう可能性が高いので、かならず答弁書を出しましょう。
https://www.courts.go.jp/saiban/syosiki/syosiki_minzisosyou/syosiki_02_09/index.html
ただし、初回期日は答弁書の提出だけで済んでも、続行期日についてはさらなる準備をしなくてはなりません。準備が不十分だと、裁判で慰謝料を請求された側の主張が通りにくくなります。裁判で奥さんから慰謝料請求された場合は、早めに弁護士に相談し、弁護士とともに裁判の準備を進めることが重要になります。
2章目:不倫相手の配偶者から請求された時の確認事項
急に慰謝料請求されてしまうと「払わないと大変なことになるかも」と不安になってしまうかもしれません。不倫で慰謝料請求されたら、まずは下記の確認をしておきましょう。
請求内容と請求金額を確認する
不倫をしたのが事実であり、慰謝料を支払う責任があったとしても、その金額については十分に検討しなければなりません。というのも、不貞行為をした場合の慰謝料支払いに関しては法律で定められていますが、その金額や支払期限については法律で定められていません。
支払う額が決まるのは「当事者同士で合意したとき、もしくは裁判で確定したとき」です。特に、不倫の慰謝料額については、一般的に考えられる範囲を大きく超えてを請求してくることも少なくないです。
つまり、慰謝料を支払う場合であっても、その金額については十分に注意しなければなりません。
不倫の慰謝料の相場を確認する
不倫の慰謝料相場は50~300万円 です。
慰謝料は最終的に増減要素などを考慮してケースバイケースで判断されるため必ず相場通りの金額になるとは限りませんが、慰謝料相場はひとつの目安として使えます。
以下では浮気・不倫慰謝料の相場の金額をパターン別にみてみましょう。
ケース | 不倫慰謝料の相場 |
---|---|
夫婦が離婚した場合 | 100万~300万円程度 |
夫婦が別居した場合 | 100万円以上 |
夫婦関係を継続する場合 | 100万円以下 |
肉体関係がない場合 | 基本的には0円で、多くとも50万を超えることはない |
事実関係とあなたの言い分を確認する
慰謝料を請求されたら、必ず相手の主張と事実関係を確認し、あなたの言い分をまとめましょう。
相手が有効な証拠を持っていないにもかかわらず、不倫の事実を認めてしまえば、本来なら回避できたはずの慰謝料の支払い義務を負うことになってしまいます。
慰謝料は支払うべきか?
請求された慰謝料を支払う責任が本当にあるのか確認しておきましょう。ケースによっては支払わなくてよいこともあるからです。
具体的には下記のようなケースです。
- 不貞行為がなかった
- 不倫以前から夫婦関係が破綻していた
- 不倫相手が既婚者であると知らなかった(未婚だと嘘をつかれていた)
- 不貞行為の証拠がなにもない
- 配偶者と浮気相手のどちらかから十分な慰謝料を受け取っている
- 慰謝料請求権が時効になっている など
不倫相手の配偶者は証拠をもとに請求しているのか
不倫の慰謝料を請求するためには、不貞行為の証拠「肉体関係を証明・又は推認できるもの」が必要です。あなたが不倫をしたことがなく、相手方に不倫の事実を立証できる証拠が無い場合は、慰謝料を支払う必要はありません。
3章目:慰謝料請求された際、してはいけないこと
慰謝料請求される方法は、内容証明郵便による不倫慰謝料請求書の送付だけに限らず、電話又はメールなどを通じて突然に連絡を受けることもあります。
あわてて対応せず、まずは気持ちを落ち着かせ慰謝料請求された内容をしっかり確認しましょう。その際の注意すべき点を解説します。
無視する・感情的になる
浮気・不倫に身に覚えがあってもなくても、無視して対応しないのはよくないです。不倫相手の配偶者からの慰謝料請求を無視し続ければ、いずれは裁判となる可能性が高く、あなたの手間や時間がかかって負担となります。
また当事者同士が接触して話し合うと、どうしても感情的になってしまうので、交渉を専門の弁護士に依頼し、冷静な立場から淡々と交渉してもらうことが有効な対処法になります。
挑発行為などを行ってしまうと、慰謝料が増額してしまう場合もあります。
相手が証拠を持ってないのに事実を認める
慰謝料を請求されたら、必ず相手が何を根拠として請求しているのか確認しましょう。
相手が有効な証拠を持っていないにもかかわらず、不倫の事実を認めてしまえば、本来なら回避できたはずの慰謝料の支払い義務を負うことになってしまいます。
証拠の有無を確認せず、安易に認めてしまわないよう注意しましょう。
なお、自ら「不貞を行った」と認める必要はないですが、「不貞をしてない」と嘘をついてしまった場合は、その後嘘がばれた場合には慰謝料の増額要素となります。
そのため、認めてよいか、認めないべきか、対応がわからない場合は弁護士に相談しましょう。
開き直って反省しない
不倫相手の配偶者から慰謝料を請求され、認めるどころか反省の色も見せないような態度を取ってはいけません。
悪質と判断され、慰謝料が増額される可能性が高まるためです。不倫が事実なのであれば、素直に自分の過ちを認め、相手への謝罪を忘れないようにしましょう。謝罪文などを書くことが有効です。
相手の脅迫に応じる
相手から「慰謝料の支払いに応じなければ、不倫していたことを会社にバラす」「家族や親戚にバラす」などと脅されても、それに屈して支払いに応じてはいけません。
これらの方法は脅迫であり、場合によっては刑事犯罪にもなりうる行為です。たとえ不倫が事実であり、あなたに落ち度があったとしても、応じる必要はありません。
相手の言い値で高額な慰謝料を支払う
慰謝料の金額や支払期限の妥当性を確認する前に、相手の言い値ですぐに支払ってはいけません。慰謝料を支払う責任を負うとしても、請求された慰謝料額が妥当だとは限らないからです。
慰謝料額が相場よりも高ければ、減額交渉をすべきですし、支払期限や支払方法(一括か分割か)などの条件についても交渉が可能な場合もあります。
一度支払う約束をしてしまうと、後から取り消すことは困難ですので、事前に慰謝料額などについて検討するようにしましょう。
示談書にすぐにサインする
慰謝料請求の示談書を提示された場合、すぐにサインしてはいけません。示談書の内容が相手に有利に作られていることがほとんどだからです。
不安な場合は、サインをする前にすぐに弁護士に相談することをおすすめします。
要求されるまま、退職や引っ越しをする
慰謝料を請求された時に、それに併せて「遠くへ引っ越してください」「今の会社を辞めてください」と、金銭以外の要求をされることもあります。このような要求をされた場合もすぐに従ってはいけません。
相手は感情的になり、退職や引っ越しの要求をしてくることがあるのですが、このような要求に法的な強制力はありません。あなたに、そのような不当な要求を呑む義務は一切ないのです。
事実と異なることを認める
突然慰謝料請求された際、焦って事実と異なることを認めてしまったり、不利な条件で合意してしまうと、あなたにとってどんどん不利な状況になってしまいます。慰謝料請求されても事実と異なることは違うと主張すること、相手の言ってくる条件をその場で認めたりしないことが大事です。
決定事項を口約束だけして、慰謝料の支払いに応じる
慰謝料請求され、その場で慰謝料の金額や支払い回数、支払い期限などを決めてしまう場合もあるかもしれません。しかし決定事項を書面化せず口約束にしたまま、慰謝料を支払うのは絶対にやめましょう。
後で「言った」「言わない」のトラブルになりかねませんし、後から再度請求される可能性もあります。後からトラブルを再発させないためにも、決定事項は書面化することが大事なのです。
4章目:不倫の慰謝料の減額が認められるケースは?
慰謝料を請求された場合に、慰謝料の減額が認められるのは下記のケースです。それぞれ解説していきます。
不倫の慰謝料請求はなるべく早く行う
消滅時効があるため、不倫の慰謝料請求を早めに行いましょう。不倫の慰謝料請求としては次の3つの方法があります。
証拠がない
2章でも触れましたが不倫の慰謝料を請求するためには、不貞行為の証拠「肉体関係を証明・又は推認できるもの」が必要です。不倫の事実を立証できる証拠が無い場合は、慰謝料の減額または免除できる可能性があります。しかし、その場合も対応に注意が必要です。こちらから「不倫をした」と認める必要はありませんが、「していない」というように嘘はついてはいけません。
慰謝料が高すぎる場合
慰謝料の金額には法的な決まりがありません(相場はありますが、当事者が合意すれば基本的にその金額は有効です)。いくら請求しても問題がないため、あえて相場よりも高い金額を請求するケースもあります。
その場合は、相手との交渉によって適正な金額まで減額できる可能性が高いでしょう。
不倫期間が短く、回数も少ない
慰謝料金額は不貞行為の内容等により増減します。
不倫していた期間が短く、不貞行為の回数も少なければ悪質性は低いとみられるため、慰謝料金額も減額できる可能性が高いでしょう。
不倫発覚後、離婚や別居していない
不倫の慰謝料金額は、不倫が夫婦関係に与えた損害の程度に大きく影響します。
不倫発覚後も夫婦が離婚や別居に至らず、婚姻生活を継続しているなら、不倫による損害は小さいと判断され、慰謝料も減額となる可能性が高いです。
支払える経済力ではない
不貞行為を反省し、相手に償う気があったとしても、こちらに支払える経済力がなければ現実的に支払えません。
経済力がないことを理由に支払いの拒否はできませんが、交渉すれば減額や分割での支払いにできる可能性はあります。
不貞行為がない
法的に慰謝料の支払い義務が発生する不倫とは、不貞行為がある不倫なのです。
なので、あなたが不貞行為まで至っていないのであれば慰謝料の減額あるいは、支払いを免れることができます。
既婚者だと知らなかった
交際をしていた相手が、結婚指輪を外していたり、結婚生活・子どもの話をしていなかったりしたような場合には、相手が婚姻していること、つまり、既婚男性であることを知らなかったというケースがあり得ます。
このような場合には、不倫・不貞慰謝料の発生の根拠となる「故意」が認められず、不貞行為が成立せず、不倫・不貞の慰謝料請求の減額が認められる場合があります。
ただし、「過失」がある場合には不法行為が成立しますので、知らないだけでなく、注意してもわからなかったという事実が必要です。
脅迫や強姦など、無理矢理に肉体関係を迫られた
不倫慰謝料は、相手が既婚者だと知っていて不倫を回避することができたのに、あえて既婚者と肉体関係をもったことへの責任と考えられます。
強姦や脅迫によって自らの意思に反して無理矢理に肉体関係を持たされた場合は、あなたに責任はないため慰謝料を支払う必要はありません。
不倫が奥さんにバレてから長期間が経っている
浮気慰謝料の請求権には「時効」があります。時効が成立してしまったら、慰謝料は請求できません。
浮気慰謝料の時効は以下の状況になると成立します。
- 被害者が浮気の事実と浮気相手を知ってから3年間が経過
- 被害者が浮気の事実や浮気相手を知らなくても、浮気があってから20年が経過
相手の婚姻関係が破綻していた
不倫をする前から不倫相手の夫婦関係が破綻していた場合は、慰謝料を支払う義務が生じない可能性があります。
例えば、夫婦がすでに別居していて、離婚に向けた話し合いをしていた場合などがあげられますが、夫婦関係が破綻していたことを証明することは難しいため、簡単には認められません。
すでに奥さんが夫から慰謝料を受け取っている
配偶者が浮気しても、すでに十分な慰謝料を受け取っていたらそれ以上の請求はできません。
例えば、不貞行為による客観的に妥当な慰謝料金額が150万円と評価される場合、奥さんは夫と不倫相手に150万円を請求できることになります。
ここですでに、奥さんが夫から150万円の慰謝料を受け取っていた場合は、不貞行為による損害の全額の支払いを受けているため、不倫相手に対して慰謝料を請求することはできません。
5章目:相手妻からの請求のあった慰謝料を減額する方法
相手妻から請求のあった慰謝料を減額するには次のような方法があります。
奥さんに謝罪して慰謝料を減額する
奥さんへの誠心誠意謝罪することで、ある程度慰謝料を減らしてくれる可能性があります。
心の底から反省して謝罪しているのであれば、奥さん側もそれ以上追求せず、穏便におさめてくれる可能性もあります。過ちを犯してしまったと感じているのであれば、真摯に謝罪をしましょう。
奥さんからの慰謝料請求金額を一括で払う
慰謝料の一括払いは、まとまった額が手に入る他、相手との関係が継続しなくて済むというメリットもあります。
そのため慰謝料請求された額を一括で支払う代わりに、慰謝料額をある程度減額して欲しいという交渉が可能です。
奥さんからの慰謝料請求へ求償権を行使する
求償権とは、不倫のもう片方の当事者に対して責任の分担を求める権利です。
奥さんから慰謝料請求された場合、不倫のもう片方の当事者である奥さんの夫に対して「不倫の当事者で共に不倫の責任を負う関係なのだから、慰謝料を半額負担して欲しい」と求めることが可能なのです。
減額要素が多いことを主張して減額に応じてもらう
不倫の慰謝料には相場があり、大体50万円〜300万円の間に納まる傾向があります。
相場を大きく超える慰謝料を請求された場合は4章で触れたような減額要素があることを主張すれば減額できる可能性が高いです。
ただし、仮にあなたの言っていることに法的に根拠があったとしても、あなたに弁護士がついていない場合は奥さんがあなたの主張を理解してくれる可能性はほとんどないと考えてよいです。
また、法律や過去の判例に関する専門知識が必要ですので、弁護士に依頼することをおすすめします。
分割払いにしてもらう
減額交渉ではありませんが、一度で支払うことが困難な場合には分割払いの交渉をしましょう。
請求側も、裁判で勝ったとしても財産がなければ回収は困難ですので、分割払いであってもきちんと支払ってくれるのであれば、分割払いで合意するメリットはあります。
また、一度でも取り決めてしまった条件は後から変更することはできません。分割払いは、請求金額や月々の支払いなどによっては長期間に及んでしまいます。十分に検討しましょう。
経済的理由から減額してもらう
あなたの収入や資産が少ない場合は、経済的理由を主張して慰謝料を減額してもらえる場合もあります。
当然のことながら、支払い能力がなければ相手に支払うことができません。あなたの収入や資産が少なく、請求された金額の慰謝料を支払うことは困難である根拠を示して交渉することができれば、減額できる場合もあるでしょう。
6章目:不倫相手の妻に慰謝料請求の減額交渉をする時の注意点
相手は、あなたに制裁を加えようと、どんな手段で行ってくるかわかりません。ここでは、不倫相手の妻からの慰謝料請求を減額交渉する際の注意点を解説します。
感情的にならず、冷静に話し合う
まずはやはり冷静に話し合うことが重要です。
慰謝料は、相手の精神的苦痛を慰謝するためのものなので、相手の心情に配慮し、相手の怒りを増幅させたり、傷つけたりしないように対応しましょう。
ベターなのは交渉を専門の弁護士に依頼し、冷静な立場から淡々と交渉してもらうことが有効な対処法になります。
挑発行為などを行ってしまうと、慰謝料が増額してしまう場合もあります。
事実と異なることは認めず、冷静に説明する
交渉の際は、事実と異なることは冷静に説明しましょう。例えば、肉体関係がないのであれば、しっかりと否定してください。相手が証拠を押さえているのであれば、認めて、事実と異なる部分は否定しましょう。
恐らく、相手は話し合いの内容を録音しているでしょうから、証拠があるのにもかかわらず、つじつまが合わないことを言えば余計に悪い結果となります。
その場しのぎの嘘を吐いたり、事実を隠したりしても、不倫相手が喋ってしまえば明るみになってしまいます。また、相手が録音していることを想定しておきましょう。
会話は録音する
話し合いの内容について、お互いに認識の相違があった場合、さらにトラブルに発展する恐れがあります。後から弁護士に依頼することになった場合を考慮しても、内容は録音しておいてください。
決定事項は書面化する
話し合いで決定した内容は、示談書として必ず書面化して記録しておきましょう。書面化していないと、上記と同じように決定事項について双方で認識の相違があった場合、さらなるトラブルに発展してしまうからです。
また、示談書には、第三者に口外しないこと、名誉を害さないこと、慰謝料以外の債権債務がないことなどを明記しておくことが重要です。法的に有効な示談書を作成したいのであれば、弁護士か行政書士に依頼しましょう。
7章目:慰謝料を請求されたら弁護士への相談がおすすめ
不倫慰謝料を請求された際、専門の弁護士に依頼するとさまざまなメリットがあります。
弁護士に相談するメリット
専門の弁護士に依頼する具体的なメリットは下記のようなものがあげられます。
- 法的な知識に則って、慰謝料を減額または免除できる可能性が高い
- 相手と直接交渉してくれて心理的ストレスを最小限にできる
- 調停や裁判にかかる手間や時間を最小限にできる
- 周囲にバレないように対策できる
- 相手の脅しから救ってもらえる
- 依頼した方が、結果的に節約できるケースも
自分だけで減額や免除の交渉できないのか、と思われている方もいるかもしれませんが、実は自分だけで交渉することは非常に難しいです。なぜなら、交渉には法律の知識や判例の知識、不倫トラブルの交渉テクニックなどの専門的な知識が必要だからです。
解決のために自信で行動起こすとなると、相手方の弁護士の交渉や、調停・裁判などの手続きで膨大な時間を奪われます。専門的な知識が必要な場面も多く、心理的なストレスで大きな負荷がのしかかります。
弁護士があなたの代理人として浮気・不倫相手との交渉を全て行うことで、周囲にバレてしまうリスクも対策可能です。弁護士に依頼することで慰謝料を大幅に減額でき、その結果トータルで費用負担を減らせる場合もあります。
慰謝料を請求された場合、スムーズに解決するためには、浮気・不倫に強い弁護士に依頼し、適切な対処法をとることが大切です。
弁護士に依頼するのがおすすめの人は?
下記に当てはまる方は、弁護士に依頼することをおすすめします。
- 会社や家族にバラすと相手に脅されている
- 周囲に知られず交渉したい
- 相手が弁護士に依頼して慰謝料請求をしてきた
- 相手と上手く交渉できない、話を聞き入れてもらえない
- 裁判所から訴状が送られてきた
弁護士に依頼する場合の弁護士費用の相場は?
弁護士への依頼費用は、着手金が10~30万円、成功報酬が減額できた額の10%~20%程度が一般的な相場になります。
弁護士費用はどのような内訳で相場がどれくらいになるかをまとめました。
弁護士費用の相場
相談料 | 0~10,000円/30分 |
着手金 | 10~30万円 |
報酬金 | 減額された金額に対して10~20% |
実費 | 交通費や電話代、郵便料金や印紙代、書類作成にかかる費用 |
日当 | 事務所によって異なる 1日1~5万円など |
上記はあくまでも目安であり、各弁護士事務所の料金体系によって大きく異なります。これよりも安価な事務所もあれば高額な事務所もあります。
無料相談などを活用して、どのくらいの減額が見込めるのか、弁護士の対応を確認して、あなたの条件に合った最適な弁護士を探して依頼するのが一番です。
8章目:まとめ
奥さんから慰謝料請求されたら、請求方法に応じて最適な対応をする必要があります。請求方法に合わせて必要な準備をしましょう。
不倫の慰謝料額には相場があります。奥さんから不倫の慰謝料を請求されたら、まず慰謝料の額を相場と照らし合わせて確認することが重要です。また、交渉次第で慰謝料額を減額できる可能性もあります。
不倫問題を得意とした弁護士に相談して減額交渉をするなど、慰謝料請求の内容に応じて適切に対処することをおすすめします。
横浜クレヨン法律事務所では・・・
浮気・慰謝料問題への対応に非常に力を入れています。慰謝料を請求されても、免除または減額できたケースも数多く取り扱ってきました。
慰謝料問題に不安がある方、弁護士が親身になってサポートいたします。LINEを始めとした各種の無料相談にも対応しておりますので、お気軽にご相談ください。